昨日のCEATECについての続きです。
個人的にも興味があり、業界やマスコミにも最も注目されていた東芝、キャノンの共同開発に
よるSEDディスプレイは、なんと、密閉されたブースにて、予約者のみに視聴が許されました。
入場予約券を予め入手していた人のみ、視聴できるのです。私は午後からの訪問だったので、
残念ながら、入場できませんでした。そこまで秘密主義にする理由はなぜなのでしょう。
昨年も公開していたのに、もう一般公開しても良いのではないでしょうか。このやり方だけは
理解できません。
しかし、そこの入場整理をしていた係員から耳寄りな情報が得られました。
向かいの東芝ブースにてHD DVDや大型液晶テレビのプロモーションの後に、少しだけ
SEDディスプレイを公開すると言うのです。それを聞いて私は慌てて東芝ブースへ移動しました。
会場を眺め回すと、HD DVD、大型液晶、ノートパソコンが展示してありましたが、SEDは姿が
ありません。しかし、よく見るとHD DVDの背後に黒い大きな円筒形の物体があります。
多分、これはカバーで、これが回転するとSEDが出現するのだろう、と確信しました。
そして5分ほど待つとプロモーションが始まり、HD DVDなどの紹介が行われました。10分間位の
ショーが終わると、プレゼンターの男性(なぜか東芝だけ男性でした。他社はほとんど女性なのに)が
「開発中のSEDを紹介いたします」と声をかけると、気になっていた黒い円筒形が、くるりと回転、
55インチのSEDが出現しました。そして、トム・クルーズ主演の「ラストサムライ」の戦闘シーンが
再生されました。画面からは少し離れた距離だったので、正確な画質評価をするのは難しいですが
液晶やプラズマに比較すると、映像の黒い部分、影や黒い物体や服などがぐっと沈んで引き締まって
見えました。コントラストが高いのでしょう。グラデーションなども滑らかな感じで、再現される色数が
多いと思われます。総じて、鮮やかで、艶やかでリアルな映像だと思います。もう少し近距離で
見れば、もっと感動できたに違いありません。最新型の液晶やプラズマもかなり高画質になってきましたが
よく見ると、不自然な表現があったり、空気感みたいな表現が伝わらなかったのですが、SEDは確実に
上を行くでしょう。しかし、このプロモーションは30秒ほどで終わってしまいました。
なぜなのでしょうか。SEDブース、東芝ブース共に、これほど、誇れる技術なのに、出し惜しみする
理由がよく判りません。