Archive for 9月, 2012


ビル・ゲイツ別荘

もう先月の話題になってしまいましたが夏休みに長野へ2泊3日の避暑に行ってまいりました。

中軽井沢の別荘地に知人が住んでいるので、毎年夏休みに親戚の山荘から車で遊びに行くのですが

今年は出発直前にネットの掲示板でビル・ゲイツが中軽井沢に別荘を建築中との情報を得ていて

ひょっとすると知人宅の近所かも、と漠然と想像しておりました。軽井沢に到着して知人宅に電話をかけ

都合を伺うと明日、明後日は用事があるので今日が都合が良いとの返事。そのまま知人宅にハンドルを

切りました。知人宅への別荘地帯に進入し、しばらくすると道を間違えたのか、と思うほどの巨大な建築現場が

知人宅のそばにそびえておりました。地形まで変わっていて鉄板の仮囲いに囲まれていた現場の上空は

巨大な屋根が覆っていました。「ひょっとしてこれが・・・」と思いながら、まもなく知人宅に到着。

リビングルームに招きいれられて開口一番に「御近所に凄い工事現場がありますね」と伝えると

御主人が「ああ、あれ、ビル・ゲイツの別荘ですよ。完成は2年後で建築費80億円、地上一階、地下2階建てで

あの屋根はグーグルの衛星に撮影されないようにカムフラージュしているそうです」との返事がありました。

「やはり、そうだったのですね。それにしても巨大な別荘ですね・・・。しかし中軽井沢に別荘とは・・・。

ところでビル・ゲイツは建築現場に来ているのでしょうか」と尋ねると、「ハルニレテラスでビル・ゲイツらしい

人の目撃例があったそうです。」との返事が。やはり来ているのでしょうか・・・。

しかし、なぜ中軽井沢なのでしょうね。まあ軽井沢は元々、外人宣教師が開拓した避暑地で欧米人には居心地が

良いのでしょうか。ジョン・レノンも度々、訪れていたという話ですし。ビル・ゲイツはジョンの心酔者と言われて

いるのでジョンの好きだった軽井沢を選んだのでしょうか。それと中軽井沢は軽井沢に比較すると

人口が少なくプライバシーが保てそうな環境にありますね。

特撮博物館の展示物は東宝や円谷プロの作品に登場したミニチュアや着ぐるみ、プロップが多いのですが

そのほとんどが会社所有の物ではなく個人所有の物だそうです。当時、ミニチュアは撮影が終わると

ゴミ同然の不要の物だったので廃棄処分になる物が多かったのです。しばらくは保管しておくにしても

毎年、特撮番組や怪獣映画や戦争映画が作られれば使用済みミニチュアの数も増えていき保管場所にも困る状況に

なってしまいます。なので野ざらしで放置され挙句の果てに廃棄、というケースも多かったのでしょう。

スタッフや関係者の子供に贈与する事も多かったようです。またマニアな子供だと欲しがったでしょうし。(笑)

実際、私もマイティジャックの撮影終了後に撮影所に遊びに行ったら、スタッフの方に「MJ号、欲しかったら

やるよ」と声をかけられました。しかし2mもの金属製の模型を持って帰る手段と保管するスペースがないので

あきらめました。(苦笑) しかし廃棄処分になっていた30センチほどの石膏製のMJ号はゴミ箱の中から拾い出し

我が家に持って帰りました。これは本体は石膏製で翼はバルサで作られていました。模型としての完成度や質感は

かなり低く、かなり割り切って制作されたのでしょう。水中ダイブシーンに使われたタイプのようで、大型水槽に

投げ込んだためか艦首が折れて消失していました。このMJ号はまだ保管してあります。

そういえば昔、「さよならジュピター」撮影中の東宝撮影所の中を見学させていただいた事があったのですが

「日本海大海戦」や「太平洋の嵐」に使われたと思われる戦艦や空母の大型ミニチュアが野ざらしになっていました。

これらも廃棄処分になったのでしょう。特撮博物館には一隻も展示されていませんでした。

マイティジャックを撮影していた撮影所は「栄スタジオ」という名前で円谷の所有ではなく貸しスタジオでした。

当時、農家の大地主の方が映画会社に節税対策として勧められ貸スタジオを建てたのが栄スタジオだと言う話です。

「これからはテレビ番組の製作が本格化するので撮影所の需要が多くなる」との売り文句だったそうですが・・。

この話は、当時、怪獣制作工房「エキスプロ」にアルバイトで働かれていて、のちにレインボー造形企画を創立された

前澤さんに覗いました。私はエキスプロも小学生時代に見物に行き(こっそり)ウルトラ怪獣のデザインスケッチを

目撃して衝撃を受けていたのですが、その頃、その絵から着ぐるみを作り上げていたのが若き日の前澤さんだった

のでありました。数十年後に仕事で再会するとは夢にも思わなかったですね・・・。話はちょっと脱線しました。

この栄スタジオに通いつめて有川貞昌特技監督にお近づきになり、ミニチュア製作方法を紹介されたミニチュア製作

スタッフの方に伝授させていただいたのですが、戦艦や航空機などの機体は板金、石膏、バルサで作るのは理解して

いました。分からなかったのが戦闘機などのキャノピー(透明な風防)の作り方です。紹介していただいたスタッフ

の方に「キャノピーはどうやって作るのですか?」と聞きました。するとスタッフの方は「塩ビをシボるんだよ」と

答えました。「エンビをシボル」とは・・・。まったく理解不能、そんな言葉も初めて聞きました。

「え?エンビですか?」と言うと「イチゴの入れ物に使われている透明な薄いケースがあるでしょ。あれですよ」

と教えてくれました。シボるというのは加熱して柔らかくした素材を型に押し当てて成形させる事だそうです。

キャノピーの型と抜き為の穴が空いた型の二つを用意し塩ビを挟み込み成形すると教えてくれました。

早速、家に帰ってから言われた通りに型を作り塩ビ素材を用意して試みましたら何回目かに成功しました。

あの時は嬉しかったです。今回、特撮博物館にも同じ塩ビを絞る型が展示してありこれも懐かしかったですね。

こんな展示物で懐かしがっている人間はほとんどいないと思いますが・・・。(苦笑)

↓は拾ってきたMJ号プロップ。デジタル一眼レフの高解像度の前には鑑賞に耐えられません。(笑)

↓は栄スタジオのミニチュア製作スタッフの方に製法を教わって作ったオリジナルデザイン飛行メカ。

本体及び翼はバルサの削り出しで、キャノピーは塩化ビニール板を加熱し木型でプレスしました。

コクピットの中のパイロットは1/72の長谷川製ジェット戦闘機のプラモデルから流用しました。

デザインはオリジナルですがサンダーバードやマイティジャックのメカデザインの影響をかなり受けています。
1968~1970年ごろにかけて製作しました。

↓は東宝撮影所に野ざらしになっていた戦艦や空母。

東京都現代美術館で開催中の期間限定の特別展「特撮博物館」を見てきました。

既にウェブやテレビなどで取り上げられているし、入場者も多いので内容は御存じの方も多いかと思います。

実は先月、夏休みの終わりに見てきておりました。夏休み中は混雑しているとの情報もあり覚悟して

出かけましたが、予想通り入場券売り場と入場口には行列が・・・。しかし流れは早かったので

思いのほか入館はスムーズでした。館内に入るとミニチュアの数に圧倒されます。テレビやネットで

事前に知ってはいたものの実物を見るとあらためてその物量に驚かされました。しかし、「懐かしい!」

の一言ですね。ミニチュアの質感の低さ、古ぼけた感じとか、当時のままです。小学生のころから

近所の特撮スタジオに入り浸っていた人間にとっては、あの当時の光景や感触が、リアルに甦ってきます。

最近のミニチュアに比較すると(最近、ミニチュアは少なくなりましたが)いい加減な作りで、粗っぽい個所も

多く、当時のフィルムやテレビの解像度では写らないとの割り切りがあったと思います。もちろん、その範囲でも

最善は尽くしていたとは思いますが、当時の技術やコスト、スケジュールでは限界があったでしょう。

それに加えてミニチュアのメカデザイン、古き良き時代のテイストもありますが、センスの悪い物も多く、

当時の日本の雰囲気が伝わってきますね。図面やデザインスケッチも展示されていましたが、それらも

古色蒼然としていて、こんな粗っぽい絵を元に作っていたのかとあらためて認識しました。

よく日本のミニチュア特撮は世界一と称されますが、戦争映画の一部や着ぐるみの怪獣映画特撮に関してであって

SF映画に関してはその評価は首をかしげざるを得ません。当時、欧米ではテレビで「サンダーバード」「海底科学作戦」

「謎の円盤UFO」映画でも「2001年宇宙の旅」を作り上げていました。これらのミニチュアデザイン、特撮の素晴らしさに

比較すると日本の技術は雲泥の差なのです。それも分かっていながら近所の撮影所に通う、いやなガキだったと

今になって思いますが(笑)それらも含めて懐かしいなあ、と思いました。特撮博物館には「マイティジャック」の

MJ号の復刻モデルも展示されていますが、これも懐かしい。このマイティジャックの特撮を撮影していた栄スタジオに

頻繁に通っていた私は、このMJ号を良く見かけたものでした。大中小のミニチュアモデルがあり、また艦首だけ、

艦橋だけの大型セットもありました。すべて板金で作られており、工作精度はともかく、その金属製のボディに

魅かれました。また海底基地のパースモデルもありました。これは博物館に図面があり驚きました。

当時、あまりにも通い詰めたので撮影所にいらした有川貞昌特技監督に目をかけていただき、お話もさせていただける

ようになりました。撮影方法の話やミニチュアの制作方法の話など。挙句にはミニチュア製作部門の方を紹介され

ミニチュアモデル製法をご教示いただきました。詳しい話はまた後ほど。(笑)

ところで客層は夏休みだったせいかオタクや特撮マニア風の人は少なくて、意外に普通のカップルや家族連れが

多かったです。原宿や六本木を歩いていそうな若いオシャレな女性がデジカメでミニチュアを撮影していて、

そのギャップがおかしかったです。(笑)