映画館の閉館を物語の重要なエピソードに据えた映画には「ラストショー」
「ニューシネマパラダイス」など名作があります。どちらも登場人物の人生や
青春を甘く切なく描いて、映画への愛とノスタルジックな雰囲気が溢れていました。
今日、「新宿プラザ劇場ラストショー」で「2001年宇宙の旅」を見てきたのですが、
まるで、その名作の中の登場人物になったような万感の思いに包まれました。
 
以前にも「2001年」について、この日記に書きましたが・・・・
1968年に製作されたSF映画の金字塔、スタンリー・キューブリックの
「2001年宇宙の旅」。この映画に描かれた33年後の未来の世界の
宇宙船や宇宙ステーション、月面基地、小道具のデザインは素晴らしかった。
美しく、未来的なデザインは私を虜にして、一生懸命、その映像のセットの
写生画や自分なりに修正したデザインスケッチを描きまくったのです。
そして、大人になったら、あのような美しい未来社会を実現化しようと
思っていました。未来の車、未来の乗り物、ハイテク機器、家具などを
デザインして美しい未来の世界や都市を作りあげたいと考えたのです。
現実で目標を達成できたかは疑問ですが、今回「2001年~」のワンシーン、
ワンカットを久しぶりにスクリーンで見直して、当時の思いや情熱、こだわりが
甦ってくるような気分になりました。この映画は青春の1ページにとどまらず私の血と
なり肉となった映像の結晶体だったのです。ただし残念な事に「2001年~」を
見たのはテアトル東京だったので、今回の若返り効果は8割位だったかもしれません。(笑)
メインタイトルの有名な日の出のシーン。漆黒の宇宙空間に月面が浮かびあがり、
その先に地球が出現、その地球の影から太陽が姿を現します。
この構図のスケールの巨大さと言ったら少なくとも映画史上最大級のイメージです。
どう発想したらこんなイメージが出てくるのか何度見ても驚嘆してしまいます。
 
 
 
今日は上映時間が午前10時の回に行ってきたのですが上映開始1時間20分前の
8時40分に劇場に到着しました。待っていた客はまだ1人だけでした。カルト的な
人気を誇る同作品だけにひょっとしたら既に長蛇の列か、と予想していましたが
ちょっと拍子抜けしてしまいました。(笑)
しかし9時半の開館時に後ろを振り返り確認してみましたら、行列の人数は50人ほどに
達していた模様です。上映開始寸前には上の画像の状態になっていました。
年齢層はやはり中高年が多くそのほとんどが男性客でしたが、女性も若干名、
いらっしゃいました。また、私もそうですが、デジカメや携帯で館内の写真を撮る方も
数多く見られました。
携帯で思い出しましたが、21世紀の驚くべき科学技術や工学を高次元で予測したと
評される「2001年」ですが残念ながら携帯電話とインターネットは予測できませんでした。
登場人物のフロイド博士は宇宙ステーションの公衆電話で自宅に電話をし、留守番中の
娘に妻への伝言を伝えていました。また、月面でモノリスを発見した月面調査隊が
外部に機密が漏れるのを防止するためクラビウス基地の電話を通話不能にして
留守番テープの音声が流れていた、とのセリフもあり、現代の携帯、ネット社会では
ありえない設定ですね。木星探検船のディスカバリー号の船内でも隊員達は
余暇にテレビを見たり、コンピューターとチェスをしたり、絵を描いたりランニングをして
いましたが、ウェブサイトの閲覧、メールの作成をしているシーンはありませんでした。
又、自我を持った完璧なコンピューターHAL9000はいまだに実用化されていませんが
その一方、コンピューターグラフィックスは極めて幼稚なワイヤーフレームで描かれて
います。(笑)
しかし、この映画はそんな些細な点で色あせるような作品ではありません。
 
YouTubeで見つけた「2001年宇宙の旅」特撮シーンを再編集した動画。
残念ながら「美しき青きドナウ」はサントラではなく他のオーケストラの演奏ですね。
  
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