近年、再開発が進み、かなり魅力的になってきた仙川の街。
1999年10月クイーンズ伊勢丹、2000年12月スターバックス、ユニクロがオープンして
隣駅の千歳烏山を利用する住民にとって(私にとっても)注目の街になりつつありました。
2001年には仙川駅は京王線の快速が停車する駅になり乗降客数が増えていきます。
そして2004年には、あの世界的建築家の安藤忠雄氏が設計したマンション
「シティハウス仙川」がオープンし、一気にお洒落な街へと変貌していきました。
京王線の車内ポスターで「シティハウス仙川」を知った時には感銘したものです。
あの安藤氏がマンションを設計するのか、しかも隣町に・・・と。
 
だが、それにとどまらなかったのです。昨年、なんと安藤氏の設計した「せんがわ劇場」
「調布市仙川ふれあいの家および調布市立仙川保育園」がその向かいに建ち、
安藤ストリートと呼ばれるコンクリートとガラスのモダンな街並みが完成したのです。
 
注目の街どころか羨望の街になってしまいました。(笑)買物にはたまに訪れる仙川駅周辺の
商店街ですが、この安藤ストリートはいつも車で通過するだけでした。昨日、ふと思い立ち
「シティハウス仙川」の前に車を停めてみました。すると、あるポスターが眼に入りました。
それは「街が生まれる─仙川」展のポスターでプロジェクトの全貌やプロセスを紹介する
展覧会を宣伝するものでした。それは「せんがわ劇場」の隣にある東京アートミュージアムで
開催されていてなんと9月28日までの会期でした。この街づくりに興味を持っていた私は
あわてて入館して展覧会を見ることができました。
 
 
小さな美術館ですが、模型や、仙川の歴史的写真、建築プロセスなどが展示されており
そこで、このプロジェクトの裏側に意外な人物の存在を知る事になるのです。
その人物とは伊藤容子さんという女性でこの土地の地主でした。
1989年に伊藤さんはこの土地を相続されたそうです。巨額の相続税が発生しましたが
翌年の1990年にこの土地に都市計画道路の事業決定がなされ、伊藤家の敷地を縦断
する事になってしまいました。残地は三角形や台形に寸断された細長い土地になって
しまうのですが、彼女は「残地の両側に統一された良好な環境を創りたい」という夢を持ちました。
そして4年後に安藤忠雄氏に設計の発注を行ったのです。依頼は、「計画道路により分断
される敷地で集合住宅を中心とする複合施設の計画」。安藤氏は公道を挟んで連続する
敷地の面白さに惹かれ即座に依頼を引き受けました。それからプロジェクトは何度か中断、
挫折しそうになりながらも、伊藤さんの熱意と行動力で続行され複数のデベロッパーと
調布市を巻き込み当初の計画を上回る規模で完成されました。さらに計画中の「仙川3丁目
計画」(マンション)も含めて、安藤建築は全部で7棟になるそうです。
 
 
東京アートミュージアムの向かいに「仙川アヴェニュー・南パティオ、北プラザ」がありますが
こちらは1988年の完成です。実はここも伊藤家の不動産なのだそうですが、設計は安藤氏では
ありません。しかしコンクリート打ちっぱなしでシンプルな造形。建築時期も設計者も異なりますが
上手く調和していると思います。これにも伊藤容子さんの先見の明が見て取れますね。
何より環境デザインや建築デザインに造詣が深い方なのだと改めて思いました。
 
仙川の街は素晴らしい街になってきたと思います。私は普段、千歳烏山駅の利用者で
成城学園前駅もたまに利用しますが、仙川に都市計画と環境整備で完全に後塵を拝して
しまいました。このままだと商店街の優位性も崩れると思います。
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